industofu’s blog

音楽を聴きながら感想をつらつら書くチラ裏ブログです。

3) FASTKILL - Bestial Thrashing Bulldozer

f:id:industofu:20190306071326j:plain

Label: Pulverised Records - ASH 098 CD
Format: CD, Album
Released: 2011

勢いをつけたいときに聴くと必要以上に勢いがついてしまう、ジャパニーズ・スラッシュメタルの名作。長いギターソロを入れたりせず非常に分かりやすい曲構成で、10曲30分。彼らは以前「B級スラッシュ」を自称していたような記憶があるのだが*1、こういう「速い曲しかできません!」と言わんばかりのアプローチはたしかに敢えてB級に徹している感がある。しかし、Disconformityでブルータル・デスメタルをプレイしていたドラマーをはじめとして各メンバーのプレイはかっちりしているので、リズムがヨレたりするような昔のB級スラッシュではない。「姿勢は敢えてB級」とでも言えばいいだろうか…まあ、そんなことをごちゃごちゃ考えていると横っ面を引っ叩かれそうな攻撃的な作品であることは間違いない。 

1. Kill Fast

ライブの1曲目に持ってこいな、速く短く突っ走るイントロ曲。歌詞は"Kill Fast!"のみ。

2. In Thrash We Trust

1曲目からノンストップで続き、イントロのミドルテンポからビートを振り下ろすようなファストな展開になだれ込んでいく。1曲目で思い切り首を振らせ、この曲で一気にモッシュ〜ダイブでライブハウスを混沌に陥れる、という流れがありありと想像できる。

3. Die in the Pentagram

ビデオクリップも製作されているが、これ以上テクニカルになると暴れにくく、これ以上シンプルだとスラッシュメタルらしい細かく刻み込む感じが薄れる、そういう絶妙なレベルのリフが素晴らしいまさに代表曲。そういえば、GAMYとのスプリットで聴けるGAMYのカバー・バージョンも、部屋で聴いていてもダイブしたくなる疾走感が気持ちいい。

4. Stench of Hell

リフはやや地味で、その分このバンドの特徴である耳に突き刺さるようなヒステリックな高音Voが全面に楽しめる。

5. Terminal Disease

表拍を強調したキャッチーなパートと、細かく刻むリフで16分音符で頭が埋め尽くされそうなスラッシーなパートが入れ替わり立ち替わり切り込んでくる感じ。

6. Guillotine Attack

よく歌詞カードにギターソロのタイミングが書かれていることがあるが、このアルバムのブックレットはそこを単に"guitar solo"とか"lead"とか書くのではなく、細かい遊びが隠している。この曲はその遊びが特に面白く、ミドルパートに入るところに"Extreme rage Drum Roll aggression slipping into coma of souls"〜"Dimension Hatröss Part"なんて書かれている。

7. Toxic Tormentor

"Special Regard to Toxic Holocaust"というメンバーのコメントがすべてを表しているかのような、他の曲よりもテンポ抑えめ、シンプルなリフでとても首が振りやすい曲。

8. Endless Game

NEGAROBOのカバー。ブックレットのコメントによると、ドラムのKazがリスペクトしているようだ。原曲はボーカルの雰囲気は違えどメインのリフはFASTKILLと同様に細かく刻み込むタイプなので、違和感なくはまっている。

9. Tortured Again

もともとは1996年の1stデモ用に書かれた曲とのこと。ギターソロなんかはバッキングのリフも含めてSlayerっぽい。

10. Merciless Onslaught

"satanik middle fucking hell part"と銘打たれた重厚なミドルパートが特徴的な、他の曲に比べるとやや展開にひねりのある曲を最後に持ってきている。

*1:記憶違いだったらごめんなさい。